早漬けは、即席漬けとも言われ、1時間〜3時間くらいのうちに出来上がる漬物で、生の野菜(サラダ)に近く、野菜の持っている生命力を食べるための漬け方です。
早漬けを作るのは、まず、野菜重量の2%の塩を野菜に混ぜ、野菜の中にある水溶性のアク(えぐ味、渋み、苦味)を重石をして、外に吐き出させれば良いのですが、通常の浅漬け鉢は野菜から出た水分(アク汁)に野菜が浸ってます。この早漬け極意鉢は中鉢の底に穴が開いている為、水分(アク汁)が穴から落ち、野菜本来の味や甘みを味わうことができます。早漬け極意鉢で漬けると、同じ100gの野菜でも水分が抜けた分、かさが減り、より多くの野菜を摂取できるようになります。
水分が減るのは塩やみりんの浸透圧の働きにより野菜の細胞が濃縮されるからです。過熱してしまうと、野菜の酵素はなくなり、食物繊維はスポンジ状になって栄養分は外に逃げてしまいます。早漬け極意鉢の中は、低温に保たれ、野菜から出るアクが中鉢から外鉢に落ち、塩・みりん・昆布の旨味や唐辛子のピリカラ味が、野菜に程よく染み込みおいしい漬物ができるように考案されています。
出来上がり一例
きゅうり漬け
スナップエンドウ漬け
野菜6種漬け
赤玉ねぎと茄子漬け
1935年、郡馬県生まれ。東京農業大学卒業後、東京都農業改良普及員・教職1級(理科)資格取得。農業、麹、漬物などの農産加工業に従事。農林水産大臣賞受賞暦、1960年「麹甘酒」、1981年「秋なす一夜漬け」、2000年「キャベツ麹漬」、2006年「白菜の麹漬」、2007年「白菜の麹漬」。
現在、東京農業大学客員教授、アジア農民元気大学教授、群馬県知事認定の漬物マイスターとして、各方面からの漬物体験研修会の講師要請が多い。